HPVワクチン
子宮頚がんは、多くの場合ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因で発生すると考えられています。このウイルスは、女性の多くが一生に一度感染すると言われているウイルスです。感染してもほとんどの人は自然に消えますが、一部の人でがんになってしまうことがあります。HPVワクチンは、このような感染を防ぐことで子宮頚がんにならないための手段です。
現在、日本で認可されているのは、HPVの2種類の型を予防する2価ワクチン「サーバリックス」と4価ワクチン「ガーダシル」、9価ワクチン「シルガード9」です。
当院では、HPVワクチン接種について説明し同意をしていただいたうえで、「ガーダシル」あるいは「シルガード9」の接種を行っております。両者とも間隔をあけて合計3回の接種を行います(標準的には1回目の接種後、2か月後と6か月後に接種)。
- 未成年の接種希望の方は、保護者の方の同伴が必要です。
- HPVワクチンだけでは子宮頸がんを100%予防することはできないので、20歳になったら子宮がん検診を受けることも大切です。
- 経過観察のため接種後30分は院内で待機していただきますので、お時間にゆとりをもってお越しください。
妊婦さんに接種するRSウイルスワクチン「アブリスボ」
RSウイルスとは
RSウイルスは世界中に広く分布しており、生後2歳までにほぼ全ての乳幼児が感染するとされています。また、生後6か月未満で感染すると重症化することが示されています。
RSウイルス感染症と予防
日本では、毎年約12~14万人の2歳未満の乳幼児がRSウイルス感染症と診断され、約3万人が入院を必要とすると推定されていますが、有効な治療薬はありません。
そのため母子免疫ワクチンによって、生まれてくるお子さんの発症や重症化を防ぐことが期待されています。
RSウイルス母子免疫ワクチン「アブリスボ」について
当院では2024年7月より「アブリスボ」の接種が可能になりました。妊婦さんに接種することにより、母体でRSウイルスに対する中和抗体が作られ、その抗体が胎盤を通して胎児に移行する母子免疫ワクチンです。
アブリスボの接種をお考えの方は、当院の医師や看護師に気軽にご相談ください。
接種対象 | 妊娠28週から36週の妊婦さん(完全予約制) |
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投与方法 | 0.5mlを1回、筋肉注射 |
費用 | 33,000円(税込み) |
持ち物 | 母子手帳 |
予約方法 | 外来受診時、または電話でご予約ください。 |
その他の当院産婦人科で接種可能なワクチン
- MRワクチン(はしか、風疹の予防ワクチン)
- 季節性インフルエンザワクチン
- B型肝炎ワクチン
- 水痘(水ぼうそう)
- 流行性耳下腺炎(ムンプス/おたふくかぜ)